2012年6月24日日曜日

『老魚の旅立ち』

「なにもいまさら 行くことはないのに。。」
仲間や子どもたちは口々に彼を引き留める。
それでも老魚は目の前の水面に顔をつけ
体を滑り込ませ、遥かなる大海の向こうを睨みつけた。
村人の心配と嘲笑と諦めをよそに、老魚は村を離れた。
くりかえす。
とてつもない不安と希望を抱え
漆黒の闇のなかへ消えていった。




静かな日常が戻った村には
諦めた空気と、ほのかな明日が残った。



2012年6月10日日曜日


『煌々』


破壊的なことがむしろ諦めと希望の始まりとする。
罪悪感を背負いながら。
自ら創るまばゆい光にあらがいながら・・・「それもまたそれ」と。